イギリス大学院で何を得たのか〜専門性以上に大切なもの〜

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こんにちは!カンボジアは雨季が始まり、蒸し暑い日が続いています。

昨年英国大学院を卒業しました、nemu(@nemusblog)です。

さて、今回は大学院留学で何を得たのか?という話。

栄養分野の知識や実践経験を大学院のカリキュラムで得られたことはもちろんですが

新卒で就職して早数ヶ月、専門分野以外にも多くのスキルを得ることができたと実感する機会が増えました。



実は、わたしのコースでは最後の課題として修士論文と同時にReflecionの提出が求められました。

MEMO

Reflection=内省、とは自分の過去の言動を客観的に振り返ることです。


感情に左右されず、自分で自分の経験と状態を観察することで、そこから何を学んだのか、
どのように行動し、どんなスキルを得たのか、その経験を次はどう活かすことができるのか

等を検証し、次に繋げていくという考え方。



さて、一年間という長期間+学費生活費約500万を投資して、イギリス大学院でどんな学びを得たのか?

わたしのReflectionを元に、少しまとめてみたいと思います。

この記事を読んでくださる方へ

本記事の情報は、あくまで自身の経験や執筆当時の情報に基づいてまとめたものになります。
アップデート等随時対応予定ですが、記載内容等についてご意見・ご質問等あればお問合せフォームよりお願いいたします。🙇

はじめに:わたしの大学院留学

英語力が不安だった私は、授業開始数週間前からロンドンの語学学校に通い、

授業初日はロンドンのど真ん中にある校舎の前で、一人しくしく泣いていたほど。

nemu
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”イギリス大学院留学”なんて、一部のエリートがするものだと思っていたし私が合格したことは何かの間違いなんじゃないかと本気で思ってしまう始末・・。

授業も最初は全然聞き取れず、帰り道を泣きながら歩く日々(泣きすぎ)

なんとかしがみ付いて修了できた留学生活で得た、

小さいけれど、わたしの価値観を大きく変えてくれた学びたちです。

①組織内での自分の役割を考えるようになった

討論グループの一員として、生徒として、時にはアジア人や日本人として。

自分はどんな役割を持つべきなのか、常に考える機会に恵まれていました。

国籍や境遇や性格含め、自分と似た人が本当にいないという環境は、

最初こそ辛かったものの、自分の特異性を高めてくれるものでした。



わたしのコースは半分が座学、半分がグループワープで組まれていたこともあり、

毎日のように新しいクラスメイトと違った仕事をする機会がありました。

その中で、属しているチームにどういう役割で関われば最も貢献できるのか、を判断できるスキルはとても大切。

他メンバーになく、私が持っているものは何なのか。

それを考えることは自惚れでも自己満足でもなく、

チームが目標を達成するために最も大切なスキルだということを学びました。

②物事を様々な視点から見ることができるようになった

ロンドンに来てよかった、と思ったのは、授業で「イギリス」を基準にして物事を考える機会が少なかったこと。

nemu
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それはロンドンという場所なのか、はたまた私の大学/コースが国際的だったからなのか断言できませんが、日本だったらきっと、当たり前のように日本の事例がベースにあったはず。

クラスメイト40人のうち、イギリス人は2-3名ほどだったわたしのコース。

日々扱う事例は世界中の出来事をカバーしていて、

それに対して先入観や既成概念を持たずに、世界中のバックグラウンドを持った学生と討論することができました。

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隣のグループはベネズエラ、私のグループはコンゴの栄養政策課題を分析。

発表後は、それぞれの政治や歴史について、周辺国出身のクラスメイトが共有し、それを元に皆で討論する日々。

紛争、災害、疾病、宗教、、、一つの国の課題を様々な視点から見る力を養うことができました。

私たちの専門は栄養学ですが、専門分野だけでなく、幅広い知識と見解を持つことが課題解決に必要と気づくことができました。

③多様性を受け入れ、楽しむことができるようになった

上記にもあるように、多様性をそのまま体現したようなクラス。

トンデモな常識が行き交う環境で、文化の違いを受け入れて楽しむ余裕を持つことができるようになりました。

時間管理や気遣いの意識が私と全く違い、最初はイライラしてばかり。

個人的な質問で授業を止めたり、納得できないと先生と喧嘩し出したりという、

別世界のような光景が目の前で繰り広げられ、驚くことも多々ありました。

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そんな中で英語に自信がなかった私は、発言もできず影の薄い存在になりかけていました…。



ただ、教授たちは「There is no wrong question / opinion」と毎回繰り返し、

どんな意見や声にも真摯に対応していました。

生徒が「いやその質問はないだろ」と思うような内容でも、尊重し回答する教授たちの姿勢は、

私たちに、自分の想いや意見を人に伝える大切さを教えてくれました。

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間違ったらどうしよう、伝わらなかったらどうしようと固まっていた私の心を優しく解してくれるような経験でした。



今でも私は人前で発言したり、英語で話すことは苦手です。

でも、海外に出ると、日本のように発音や文法を気にする人って少ないんじゃないかなと思います。



環境によりますが、それよりも「何を伝えたいのか」を気にしてくれる人が多い。

そんな人たちに恵まれ、違った意見や価値観をポジティブに受け入れられるようになりました。

④自己肯定感が上がり、自信を持てるようになった

そんな経験は、留学前はとても低かった私の自己肯定感を上げてくれるきっかけにも。

イギリス留学なんて、一部の優秀な人がするものだと思っており、

最後の最後まで、本当に認めてもらえているのか不安で仕方ない日々でした。

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本当にメンタルが弱く、自分自身に申し訳なくなるくらい信じることができていませんでした・・・。



全てが終わり、修士号を取得して初めて、「できないと思っていたことができた」自分と出会い、

人生で初めて、頑張ったじゃん!と思うことができました。

それまで、どんなことがあっても「奇跡だ」「幸運だったからだ」と理由づけ決して自分の成果だと認められていなかったのに。

それは、イギリス留学が大変だからでも、”凄い”からでもなく、

上記の様々な学びによって、ありのままの自分を受け入れられたからだと思います。

まとめ:不安の渦の先にあったもの

留学先のコースを初めて見つけた時、「ここで勉強できたら、私は夢を叶えることができるんだろうな」と感じたのを覚えています。

奨学金への挑戦、決定までの空白期間、英語力の壁、一人での海外生活….。

ずっと雲の中にいるような、先の見えない不安が長い間続いていましたが、

イギリス大学院留学を終え、やっと雲の層を抜けた先には、明るい太陽と一面の青空が広がっている

そんな感覚を抱くことができました。



今後も様々な壁や挑戦が続くと思いますが、こんな”伏線的な学び”を楽しみながら、

豊かに生きていけたらな〜〜と感じています🌼