カンボジアの新卒就職1年目に続き、ここでもこの記事を書くときが来ました、、!
【新卒海外就職から1年】カンボジアの田舎で一年間働いて感じたこと。なんとか無事に、1年目を終えることができましたnemu(@nemusblog)です。
この国に来た頃は、1年後どうなっているか、いや、今週やってけるか?のレベルで何も見えず不安だった日々ですが
想像しなかった難しさやストレスにも直面しつつ、それも含め全てを良い方向にちょっとずつ動かせている最近。
実は、赴任して1ヶ月目や3ヶ月、半年の頃にも振り返りの記事を書いています。
アフリカ駐在1ヶ月目!達成できたこと、憧れた生活で見えてきたもの。 【新米国連職員3ヶ月】長いハネムーン期間を終えて感じること 【祝!半年】やっと仕事と生活に慣れてきた、新米JPOの記録。今こうやって1年間を振り返っていますが、この記事に書いた様々な気づきも、今の私に大きな影響を及ぼしているな、と感じます。
今回は1年という大きな節目なこともあり、ゆっくり振り返ってみたいと思います。
Contents
<仕事、キャリア編>
JPO / 若手 / 第三言語 / 日本人…は相手にとっては関係ない
1年前の私が聞いたら「当たり前じゃん!」と言われそうな、でも実際は想像していたよりももっと大変だったこと。
例えば日系組織として来ていた頃には、日本人らしさや、第三言語がまだネイティブ並ではないこともCPに受け入れてもらえてた感じはあったものの、というか日本の案件だから日本人のやり方に合わせる、という感じもあったけれど
そういうバックグラウンドが取り除かれた立場になり、これまで「日本人として国際開発に携わる」立場に甘えていた私は大きな壁を感じてしまいました。
別に私じゃなくて、フランス語ネイティブの人でも、10年経験が多い先輩でも良かったものを、担当させてもらっている。
若手だから、まだ諸々不十分だから、はもちろん通用せず、でもその「もちろん」を乗り越えるためにはまだまだギャップがあり、週末や仕事終わりになんとか追いつこうとしては届かない現実に心が折れそうになったりもしました。
英仏ネイティブで、同調ではなく「議論する」「意見を言う」ことが求められる教育環境で来た人たちの中で、なかなか役に立てる機会を作ることができず、大きな無力感から自分が持っているもの全てが誇りに思えない時期などもあり、それでも努力して得て来たつもりだったからこそ、とても辛かったです。
そんな時、カウンセリングで「今周りのように完璧にできないことを自分の努力不足だと思わない方がいい、育った国も違うし、生きて来た年数も違うから急いで追いつこうと考えすぎないで」と言われ、ちょっと支えられました。
海外在住者向けオンライン無料相談デスクを使ってみた感想1年経った今は、そんな中で自分の強みをどうやって見つけていくかを試行錯誤している段階ですが、おそらく専門性の強さで勝っていくしかなさそう。
自分や自分の育った社会の「これが正しい」は一旦崩して考える
こんなに自分の常識が崩れていったことは、初めてでした。
日本にいた頃は同調が苦手で、いつも私が出る釘で、周りから打たれていたのに。それは井の中の蛙だったようで。
これまで住んできた国や働いてきたコミュニティなどは、今までの私が重ねてきた経験から得た「これが正しい」という感覚が、たまたま通用する環境だったみたいです。
最初はとても難しかったです。だって、「これは正しい」と思ってしまっていたから。
これまで様々な異文化で暮らしてきて、常識が崩れることや違いに適応することは何度もあったつもりでした。でも結局、それも近場のアジアだったり、日系の一員だったり、ロンドンでも同僚に囲まれていたり。
今回、環境だけでなく立場も違う中で来たからこそ、この点では大きな学びがありました。
ここでお伝えしたいのは、決してどっちが正しくて間違っている、という話ではなく、
自分が正しいと思っていた基準があまりにも違う中で物事が進んでいる際に、どこまでそこに適応できるのか。
いくら文化や国が違うからとなっても、そこに自分が合わせることが難しい際に、ではそれをスタンダードで動く人たちとどう一緒に働いていくのか。にたくさんぶつかり、悩んだということ。
だから、後にもお伝えしますが、久しぶりに日本に帰った時に感じた安心感、ホーム感にはとても助けられて、また頑張ろうと思えたりもしました。
評価のされ方が180度違う可能性を見て動く
そんな感じなので、自分が「こうしたら評価される」と思うようなことも、もちろん違いました。
いい意味で評価が違う(=自分にとっては大したことないと思っていたけれど、とても役に立てていた)、ということもあれば
今後は逆の印象になってしまうことも、このような環境ではあるかもしれない、と心に留めるようにしています。
そのため、普段のコミュニケーションの中から、相手を知る機会を増やしていくことや
また、自分自身のこの感覚や常識はどうやって培われてきたかを考えてみたりすることも大切だと思っています。
そんな理由で、私は休みの日に日本語補習校でお手伝いをしています。学習要領を読むと、私たちが今当たり前に持っている様々な感覚が、義務教育の中で丁寧に培われてきたものだというものがわかります。
簡単ではないけれど、こんな視点を持って働けること、母国から離れた国に関われていることは
とてもありがたく、何よりもたまらなく楽しく、自分の人生の横軸を大きく広げてくれていると感じます。
自分に合う労働環境を諦めずに探し続けてよかった
昔職場環境が合わなかった時、先輩に「社会はこんなものだから」と言われたことがありました。
【新卒】パワハラの意味とは。経験して良かったと思うことただ、諦めずに探し続ければ居心地の良いと感じられる環境が見つかることを(イギリスに来た頃から薄々感じてたけど)29歳にして実感することができたと思います。
私の未熟さや経験不足から、上記のようにスキル面で悩むことは多々多々あれど、
労働環境(働き方や制度、休みの取り方やテレワーク、人間関係などの点です)はとても居心地良く、ここまで守られていると感じられる環境は初めてでした。
そして、しっかり休めるからこそしっかり働ける、Work hard play hardな価値観を
周りの先輩方から見習い、私もちょっとずつ応用しながら良いバランスを見つけていっている最中です。
(場所によるかもしれませんが)職場の飲み会、仕事外での付き合いは少なくとてもフラットで、何より家族や自分の時間を大切にしている印象があります。私は単身だし、最初は少し慣れなかったけれど、今はこれがスタンダートになりました。
そういえば、ロンドンに来た頃は平日夕方に公園で犬と遊んでる仕事帰りのサラリーマンの姿を見て感動した記憶。
好きな生き方を見つけるための長い旅(!)に出れるのは、若い間の特権だったのかも、と思ったりします。見つかってよかった!
【イギリスワーホリの魅力】52か国旅した私が、ロンドンに住みたい理由。<プライベートとメンタルケア編>
仕事の求人は常にあるけど、家族やパートナーに代わりはいない
この仕事をする上でよく出る「キャリアとプライベートどっちを大切にするか」論。
先輩からは「どっちかに集中しないと両方中途半端になる」と言われたことがあったり、
キャリアは裏切らないから、という視点もありキャリアをまずは優先させてきているものの。
家族を大切にする同僚に囲まれ、また求人は世界のどこかでいつも何か出ていることなどを見ていると、
仕事は常に求人があるけど、人には代わりはいないという当たり前のことを、最近ふと気付かされたりしています。
もちろん、人間関係には何があるかわからないし、キャリアに向けた努力は裏切らない一方、対人だとそうとはいかない。
なんだけど、代わりのいない人の存在が自分の人生にとってとても大切なら、それを守ることで
キャリアを含めた人生自体がもっと豊かになるんじゃないか、と以前にも増して思うようになりました。
私はここをなんとか両立したく、早い段階でこのキャリア構築を目指しました。
今はいろんな本を読んだり、先輩方に相談させてもらったりしながら試行錯誤しているところです。
【国連職員になるには】大学生の間にやっておいてよかった6つのこと。頑張れる理由、が欲しくなる
その理由は、これ。
数年毎に国を変えて人間関係を作り、大きな責任にもストレスにも耐えて結果を出していく…の繰り返しになるであろうこの業界。
毎日、家を出る前と帰った後に、「頑張れる理由」がいる毎日ってどんなに幸せなんだろう、と
一人で異国で暮らす中で思うことが増えました。
この業界で向き合っている課題自体がとても大きいからこそ、身の回りの小さな幸せを固めることで、それがモチベーションになるのかもしれません。
一番大変だったこと:プライベートで帰属意識を持ちづらい立場
全て振り返った時、一番大変というか難しいなと感じたのは、仕事面ではなく実はここでした。
プライベートで帰属意識ってちょっと変なのですが、仕事以外での心の拠り所的なものを持つことには、私は過去滞在国より時間がかかりました。
組織の中だと圧倒的若手で且つ外国人、しかもアジア圏の出身。家族同伴でないのも珍しい。
私は上記の理由から、日本との繋がりも大切にしたいものの、日系に行くと今度はなんだかうやうやしくて、私たちとは違う人、のように扱われてしまうことも。
おそらく、アジア人も日本人も少ない故に、どこに行っても「◯◯(組織)の人」という見方がどうしても入ってしまうから。
去年J系コンサルとして別の国で日本人コミュに入った時とは全然見られ方が違って、慣れるのに時間がかかりました。私は同じなのに所属が変わるだけで、プライベートでもこんなに距離感が変わるなんて!と驚きました。
また、この国が好きで選んできた人と、会社に言われて来た人では休日の過ごし方なども違ったりして、価値観や感覚もヨーロッパや東南アジアでの人間関係構築よりもちょっと難しいと感じたり(個人的な経験からの比較です)。
これまで、組織役割など関係なく仲良くしてくれた友人たちの存在を嬉しく感じると同時に、こうやって人間関係が変わっていくことも学び、より一層、自分の持っている大切な関係に感謝したいと思いました。
ストレスマネジメントの鍵は「家の居心地の良さ」と「3つのコミュニティ」
こうやって多方面のストレスにも囲まれていた一方、1ヶ月目で全力を尽くした「居心地の良い家」はその解決にとても役立ったと感じています。
アフリカ駐在1ヶ月目!達成できたこと、憧れた生活で見えてきたもの。職場とは違う人たちと一緒に暮らして、インテリアなども少しずつ拘って
「短期滞在の国で生活する必要最低限」ではない暮らしを作ることは大切だと感じました。
また、以前も別記事で紹介していますが、
私は「3つの別コミュニティを持てばメンタルを保ちやすい」という引用元さえわからないこの理論を信じていて
上記の帰属意識の問題があったからこそ、
シェアハウスに住んだり、習い事やジムを増やすことでここのコミュニティ数を増やしていきました。
西アフリカの中では比較的娯楽が多く、コミュニティが見つけやすいことはありがたく、
ただこの環境だからこそ、なんとかうまくやれているのかも、というバランスです。
職場環境を離れることで、俯瞰的に振り返ることができる
最後に。去年の反省を活かし、今年は「月一で勤務地を離れる」ことを目標に。
これは去年の年末一時帰国した際に、冒頭に述べた「私全てできないじゃん…」思考を切り離すことができ、メンタル回復に役立ったから。
定期的に普段の環境を離れることで、「(周りとの比較ではなく)そもそも自分が目指してきたことにどの程度追いつけているのか」「これからの人生で何をしたいのか」といった
目の前のことだけではない、広い視点で振り返ることができて、とても役に立っています。
28歳で自分を認められたら、「30代は生きやすい」の意味が見えてきたこの分野でのキャリアアップを目指しつつ、いや、そのためにやりたいことが、まだまだたくさんあります。
だからこそ、心が折れてしまったり、仕事に追われて時間だけが過ぎていかないように、工夫しながら過ごしていきたいです。
まとめ:自分のことに120%集中できる今を、思いっきり大切に。
実は数ヶ月前にプライベートでも大きな変化があり、改めて「一人で好きな国に住み、仕事を思いっきりできる環境にいる」今は当たり前ではなく、長い人生の中ではとても貴重な期間だと感じています。
これからライフスタイルや優先順位が変わっていく中でも、好きでたまらないこの仕事を良い形で続けられていくように、今は悩んで失敗して工夫して、ベストバランスを見つけていく時期だと思っています。
2年目も私らしく、今年はもっと笑っていられることを願って、頑張っていきたいです。🌸